Blog
ブログ

歯の寿命を延ばす新しい歯科材料~MTAセメント~

| むし歯

皆様、こんにちは
神戸市 東灘区 のだ歯科医院 歯科医師の渡邉です。



最近、テレビでラグビーのワールドカップの試合がやっていますが、観られた方はいらっしゃいますか
私は時々観戦しているのですが、あんな熱い試合を観ると、本当に興奮しますね!!
日本の試合はもちろんですが、ニュージーランドもカッコよくてシビレます
私もまた明日頑張ろう!と思わせてもらえます。



今回は当院で使用している歯の寿命を延ばす新しい歯科材料、MTAセメントついてお話したいと思います。
MTAセメントとは、1998年にアメリカで製品化され、日本では覆髄材としての薬事承認のもと2007年に日本で市販された比較的新しいセメントです。
MTAセメントの優れた点として
・生体親和性が優れていること
・硬化するときに膨張するため、封鎖性が高いこと
・抗菌性を有すること
が挙げられています。


こういった特徴を生かして、MTAセメントは様々な用途に使われます。

例えば、むし歯が大きすぎた場合、むし歯を全部取ると歯髄(歯の神経や血管)が露出してしまうことがあります。
露出してしまっても歯髄自体があまり感染していない場合、歯髄を残そうとする処置(直接覆髄)を試みます。
この際、MTAセメントを使用することで従来使用していたものより、歯髄を残せる確率が断然高くなります!

歯髄とは歯の真ん中に存在し、歯の栄養を供給したり、歯の栄養や知覚を司っており、とても大切な役割を担っています。
そのため、歯髄を取る処置(抜髄)を行うと、歯がもろくなり割れてしまう可能性が高くなったり、痛みを感じなくなるために知らないうちにむし歯が大きくなってしまっていたりすることがあります。
つまり、歯髄がなくなるということは、歯の寿命を縮めてしまうことにつながります。
また、むし歯の治療は1~3回で終了するのに対し、抜髄処置を行うと被せものをいれるまでに最低5回ほど治療がかかってしまい、治療期間も長くなってしまいます。


ただ、神経がむし歯で感染してしまっている場合や、既に神経が死んでしまっている場合には、このセメントを使用しても意味がありません。
また、このセメントを使用したとしても、麻酔が切れた後に何もしなくてもズキズキした痛み(自発痛)が出てしまった場合、
やむを得ず、神経を抜かないといけなくなる場合もあります(T_T)
しかし、抜いてしまった歯髄は戻ってきませんし、一度試す価値はあると思います!


MTAセメントは他にも、むし歯が大きすぎたりした場合に歯の根に穴があいてしまった時にも使われたりします
歯の根に穴があいてしまった場合、従来であれば「抜歯」が第一選択でしたが、
MTAセメントを用いることで歯を抜かずに済むかもしれません




気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
スタッフ一同、心よりお待ちしております


記事一覧へ戻る