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インプラント周囲粘膜炎/インプラント周囲炎

| インプラント

こんにちは
神戸市東灘区 のだ歯科医院 院長の野田欣志です。

最近どこへ行っても、何を見ても新型コロナウイルスの話で持ちきりですね。

このような感染症には医療従事者、特に歯科医療従事者が感染しやすいようなので私たちも十分対策が必要だと思っております。

私たちヒトとウイルス、細菌とは常に切っても切れない関係ですね。

歯周病やインプラントに関しても同様です。

歯を失う原因の第一位が歯周炎(歯周病)ですが、歯周炎にはその前段階として歯肉炎があります。インプラントの周囲の問題も同様です。

歯の周囲の歯肉に炎症が起こることが「歯肉炎」。インプラントの周囲の歯肉に炎症が起こることが「インプラント周囲粘膜炎」。
歯の周囲の歯肉からさらに歯を支えている骨にまで炎症が起こることが「歯周炎」。インプラントの周囲の骨にまで炎症が起こることが「インプラント周囲炎」です。

歯肉炎とインプラント周囲粘膜炎の状態は非常に似ており、どちらも可逆性で適切なブラッシングや歯石除去、フロスなどを使った衛生管理で元の健康的な歯肉に戻ってくれます。

しかし、歯周炎とインプラント周囲炎は似ているように見えて、実はインプラント周囲炎の方が深刻な状態になっているようです。

どちらも基本的には不可逆性の疾患です。
ところが歯周炎は適切な治療を施せばそれ以上炎症が進行しにくいようにできますが、インプラント周囲炎は一度炎症が起こってしまう(インプラントに感染が及んでしまう)とインプラント表面の特殊な形状(表面性状)のおかげで感染源を取り除くことが難しく、進行を食い止めることがかなり困難になります。


以前、インプラントの生存率は約95%であるというお話をしました。
しかし、生存しているインプラントのうち、インプラント周囲粘膜炎になっている人は約30%、さらに進行したインプラント周囲炎になっている人は20%に達しており、合わせて約50%の人はどちらかの状態であることがわかってきています。

インプラント治療は咀嚼機能回復のためには非常に有効な方法です。
きちっとした衛生管理をすることで長持ちさせることはできます。
インプラント周囲炎になる前のインプラント周囲粘膜炎の状態で気付くこと、またインプラント周囲粘膜炎にもならないようにするためにご自身での管理はもちろんのこと、定期的に歯科医院でのチェックは必要ですね。

新型コロナ同様、感染が広まってからでは対処が難しいので、予防をすること、そして初期の段階で適切な対応ができるようにしていきたいと思います。

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